【シリコン】って髪に悪いものって思ってません?

そもそもシリコンって何?

美容でいう「シリコン」は、正確にはシリコーン。

代表的なのが

  • ジメチコン
  • アモジメチコン
  • ジメチコノール
  • シクロメチコン
  • フェニルトリメチコン
  • シロキサン系成分

など。

シリコーンは、簡単に言えば髪の表面に薄く広がり、滑りを良くするための高分子素材。

シリコーンの特徴は、非常に低い表面張力を持っていて髪に広がりやすく、熱や光に比較的強く、摩擦を減らす働きがあること。1950年代から化粧品に利用され、ヘアケアでは1970年代以降に普及してきた。

つまり、

シリコン=髪を傷める薬品

ではなく、

シリコン=髪の状態を整えるための素材

と考えた方が正確。

なぜ髪にシリコンを入れるの?

ここが一番重要。

髪はカラー、ブリーチ、縮毛矯正、アイロン、紫外線などによって表面のキューティクルが傷み、摩擦が大きくなる。

すると、

「絡まる」
↓
「引っ掛かる」
↓
「摩擦が増える」
↓
「さらに傷む」

という悪循環が起こる。

そこでシリコーンを使うと、髪表面の摩擦を減らして、

指通りを良くする
↓
絡まりを減らす
↓
ブラッシング時の負担を減らす

という方向に持っていける。

実際、シリコーンは髪に滑らかさや柔らかい感触を与える目的で長く使用されてきた。

だから、特に

ブリーチ毛・縮毛矯正毛・ロングヘア・エイジング毛

では、シリコンを使う意味はかなり大きい。

じゃあ、なぜ「シリコンは悪い」という話になったの?

ここには美容業界と商品のマーケティングがかなり関係している。

日本では1980年代に高重合度シリコーンが枝毛対策や髪の滑らかさを目的に使われるようになり、その後、カラー・縮毛矯正・アイロンなどによるダメージが増えるにつれてヘアケア技術も発展していった。

そして2010年前後になると、「ノンシリコンシャンプー」が大きなブームになる。

理由の一つは、

「シャンプーは頭皮を洗うものなのだから、髪をコーティングする成分は必要ないのでは?」

という考え方。

さらに、

「シリコンが毛穴に詰まる」
「髪をコーティングして栄養が入らなくなる」
「使い続けると髪が重くなる」
「シリコンが髪を傷める」

といったイメージが広まった。

ただし、ここは全部を一括りにするのは危険。

現在の安全性評価では、ジメチコンやアモジメチコンなどのシリコーンポリマーについて、化粧品で通常使用される条件では安全と評価されている。

「ノンシリコン=髪に優しい」でもない

これも非常に大事。

シャンプーからシリコンを抜いたとしても、

洗浄力が強ければ髪は普通にダメージを受ける。

逆に、適切な洗浄剤とコンディショニング成分を組み合わせれば、シリコン入りでも髪への負担を抑えながら洗える。

実際、シリコンをシャンプー中に微細な粒子として分散させ、洗浄後に髪へ付着させる技術は以前から研究されている。

だから、

シリコンが入っているか?

だけでシャンプーの良し悪しを判断するのは、かなり乱暴。

シリコンは全部同じじゃない

ここが美容師として面白いところ。

① ジメチコン

最も代表的。

髪表面に付着して滑りを良くし、

ツヤ・柔軟性・指通り・摩擦低減

などに働く。

比較的しっかりしたコンディショニング感を出しやすい。

② アモジメチコン

個人的には美容師が理解しておきたいシリコーンの一つ。

名前に「アミノ」が入っている通り、アミノ基を持つアミノ変性シリコーン。

ダメージ毛のような状態の髪に選択的に付着しやすい性質があり、コンディショニング成分として使われる。

そのため、

ダメージ部分を狙ってコンディショニングしやすい

という設計ができる。

アモジメチコンも化粧品成分として安全性評価が行われている。

③ ジメチコノール

ジメチコンに近い仲間で、コンディショニング目的で使用される。

しっとりした質感や滑らかさを出すのに向いている。

安全性についてもCIRの評価対象になっている。

④ シクロメチコン

こちらは環状シリコーン。

比較的揮発しやすいタイプなので、

「塗ったときは滑るけど、重たい油膜感を残しにくい」

という設計に利用される。

シクロメチコンなどについても、化粧品での通常使用条件では安全性が評価されている。

⑤ フェニル系シリコーン

例えばフェニルトリメチコン。

これは特に、

ツヤを出す

という目的で使われやすい。

シリコーンなら何でも同じ質感になるわけではなく、分子構造を変えることで、

「軽い」
「しっとり」
「ツルツル」
「ツヤが強い」

などの仕上がりを調整できる。

「シリコンが髪をコーティングする」って悪いこと?

これも半分正しくて、半分間違い。

例えばブリーチ毛。

キューティクルが荒れている
↓
摩擦が増える
↓
絡まる
↓
さらにキューティクルが傷む

この状態なら、表面を滑らかにすること自体がダメージ対策になる。

ただし、シリコーンの種類や量、他の油剤・コンディショニング成分との組み合わせによっては、髪質によって

「重い」
「ベタつく」
「ボリュームが出ない」

と感じることはある。

最近のレビューでも、ジメチコンやアモジメチコンなどの水に溶けにくいシリコーンは強いコンディショニング効果を持つ一方、処方によっては蓄積が問題になる可能性が議論されている。

つまり問題は、

シリコンだから悪い

ではなく、

その髪に対して、そのシリコンを、どの濃度・組み合わせで使うのか

という話。

そして「頭皮」と「髪」は分けて考える

ここもめちゃくちゃ重要。

シリコーンの主な目的は頭皮を健康にすることではなく、毛髪をコンディショニングすること。

だからシャンプーの場合、

頭皮 → 洗浄する場所
毛髪 → コンディショニングする場所

と考える方が合理的。

頭皮がベタつきやすい人と、ブリーチで毛先がボロボロの人では、必要な処方が全く違う。

だから「シリコン入りだから悪い」「ノンシリコンだから良い」という二択ではなく、

頭皮には適切な洗浄、毛髪には必要なコンディショニング

という考え方が一番本質に近い。

美容師目線でまとめるなら

僕ならシリコンを、

「傷んだ髪を隠す悪者」

とは考えない。

むしろ、

「髪を摩擦から守り、扱いやすくするための道具」

と考える。

ただし、シリコーンには非常に多くの種類があり、同じ「シリコン入り」でも仕上がりは全然違う。

そしてノンシリコンブームによって、

シリコン=悪

というイメージだけが先行してしまった部分がある。

実際には、1980年代からシリコーンはダメージ毛の感触改善に利用されてきており、2010年前後にはノンシリコーンシャンプーが人気になったという、日本のヘアケア史も確認できる。

だから美容師としてお客様に説明するなら、

「シリコンが悪いんじゃなくて、その人の髪に必要なシリコンを選べているかが大事です」

 

SOLANA

大阪府池田市石橋3-2-4

072-734-8439

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